みみみ@読書好き理系社会人の日記

しがないコロナ世代の会社員の日常です。転職経験あり。

貧しいとされる国への先入観

こんにちは。

 

最近は「ファクトフルネス」という本を読んでいて、その感想を書きます。

 

 

まえがき

 サブタイトルにもある通り、私たちは世界を知らないまま先入観に縛られて物を考えたりしてしまっているんだなということを教えてくれる本。

 冒頭にて、あなたは世界の現実をちゃんと知っていますか?と言わんばかりの、世界の貧困や子供の数等に関するクイズがあって、そこから何も自分は知らなかった!ということに気づかされました。

 まだ途中までしか読んでないですが、そもそも知らなかったこととか、その考えをもっていなかったなと気づかせてくれることがとても多いです。

 

世界はまだたくさんの貧困であふれていると思っていた

 なんとなく昔から小学校の道徳とかの教育だったり、募金関係のCMだったりを見てきました。

 なので、世界はずっと貧困であふれているだとか、悲しいことばかりがクローズアップされて伝えられてきたけど、それってどれくらい多いの?とか、貧困な人々が増減しているかどうかとか、全然考えたことなかったなと思います。

 考えたことが無かったというか、多分多くの人が同じだと思うんですけど、ぼんやりと世界では貧困な人がたくさんいる状態がずっと続いているのかな?と思ってました。

 

極端な貧困状態の人は世界で10%未満

 この本で定義されている極端な貧困状態とは、一日の生活費が2ドル以下という人です。移動は徒歩、毎日バケツでにごった水を汲みに行くという生活のイメージで書かれています。

 

 この数字が多いと思うか少ないと思うかは人それぞれだとは思うんですけど、私個人としては思ってたより少ない!というのが感想です。

 もちろん少ない≠いないであり、少なければその人たちのことを無視していいとかではなくて、今少ない→これまでに減ってきたんだなということに感動しました。

 

 この本でも書かれていてその通りだなと思ったんですが、私も含め、裕福な国々と貧しい国々には明確な差があるように思ってしまっている人は多いと思います。

 貧しい国、人口が減っているということはかつて貧しいとされていた国もより裕福な方へ進んでいるということで、確かに世界は良くなっているんだなと思います。

 

なんでかんでも0と100の話ではない

 この本の中でも触れられているんですが、こういう世界で貧困な人々が少ない、減ってきていると発言すると、「じゃあ無視していいのか!(# ゚Д゚)」みたいな飛躍した意見を言う人がいそう、というのが苦手です。

 

 Twitterでも、目下のコロナ関係にて、マスクをしていても感染が広がるみたいなニュースが出ると、「じゃあマスクしても無駄ってことじゃん!」みたいな飛躍した意見を言う人が出ちゃってますよね。

 この場合だと、マスクにより減っていてもそれはどうしても完璧じゃないよという程度の話だとは思うんですが、こうやって何でもかんでも極端に決めつけてしまう人がいるのはどうしてなんでしょうかと不思議に思います。

 

貧困な人々を救ったら人口が増えすぎてしまうと思っていた

 本当に私の愚かな先入観なんですが、寄付や援助をし続けるといずれ人口爆発が起こってしまうのではと短絡的に考えてしまっていました。

 

 貧しいとされる国では一人の女性が出産する子供の数が裕福とされる国のそれよりも多い、ということはなんとなくふんわりとは知っていました。

 そこから、その地域に援助する・子供たちを助ける→寿命が延びる・皆が子供を産んでより人口が増える→人口爆発、というくらいのめちゃくちゃ単純イメージでした。

 

 これには間違っている点が2点あって、まずなぜ貧しいとされる国では出生率が高いかを考慮していないことと、それに関連して、出生率が高い国や地域では永遠に出生率が高いままという思い込みです。

 

なぜ貧しいとされる国では出生率が高いのか

 私は無知なのでそこに思い至らなかったのですが、貧しい地域ではインフラや医療が整っていないこともあり、子供が生まれてから大人になるまで生き残るという確率がかなり低いそうです。悲しいことです。

 さらには農業等、仕事に必要な人手をまかなう必要もあるということです。

 

 

出生率が高い国や地域では永遠に出生率が高いままという思い込み

 前述のような理由により貧しい状態ではたくさんの子供を産む必要がありますが、そこから生活水準が上昇するとたくさんの変化が起こります。

 特に避妊具や性教育がいきわたることと、教育を受けさせる余裕が出るということです。

 特に、この本で書かれていた、教育を受けさせることができるようになれば、より少ない子供に集中して教育させる、投資する傾向になるという考えになるほどと思いました。

 

 避妊具や性教育が無いことによる選択の不自由な状態から、少ない子供に集中して教育を受けさせ、より良い仕事ができるようにする、というシフトです。とても水準が上がっていくイメージを持てます。

 

感想:貧しかった先祖から裕福な今に至るまでの経緯への想像力が足りていないことに気づいた

 この本を読んで自分の無知さを再確認して逆に感動したくらいなので、気づかされたことばかり書いていましたが、私の全体的な感想としては、自分は歴史をちゃんと理解して学べてなかったんだな、と思いました。

 

 上記のような貧しい状態からより水準の高い状態へのシフトって、日本の中でもこれまでの歴史の中で起こってきたことだと思います。今から数百年前であればどこの国も同様に貧しく、平均寿命も低い状態でした。そこから何世代もかけてどんどん水準が良くなり、今の現代があります。

 

 私は最初から裕福な状態で生まれ、教養として歴史を学んでいたものの、それはしっかりと深く理解できていなかったために、これまでの歴史を理解していれば間違いだとわかったはずの、世界の貧困への勘違いや先入観を抱いていたのかなと思います。

  ある種の想像力の欠如です。

 

 なんの分野においても、現状当たり前にあるものや、当たり前だと思っていたものも、突き詰めてなんでなんだっけ?というのを追求できるようにしておこうと思います。

 

 まとまりはない感想ですが。では。